SDRがより大きな役割を果たせるようにするためのカギは、その利用範囲の絶え間ない拡大で、真に各国の準備通貨に対する需要を満たすことである。まもなく杭州で開催される20カ国・地域(G20)サミットでは、SDR使用の拡大が国際金融枠組み完備化に関する議題の1つとなる。7月22日、中国は北京で、世界銀行、国際通貨基金(IMF)、世界貿易機関(WTO)など六大国際機構とともに記者発表資料を公開し、SDR利用範囲拡大への研究を後押しし、国際通貨システムの強靭性を高めることを明らかにした。これより前、中国人民銀行は今年4月から、ドルとSDRを報告通貨とする外貨準備データを初めて同時に発表した。SDRを外貨準備の報告通貨としたことで、外貨準備の総合的価値をより客観的に反映することができ、SDRの記帳単位としての役割増強にも役立つ。
今回のSDR建て債券の発行は国際通貨システム改革のニーズに順応し、SDR建ての資産構築にプラスであり、SDRの金融ツール市場化推進にとって有益な試みである。もちろん、SDR建て債券の発行はSDR金融ツール市場化推進の試みの第一歩に過ぎず、SDR建て金融市場の成熟化や合理的な流動性を真に推し進めるには、市場育成の面で一層努力しなければならない。
「北京週報日本語版」2016年8月26日